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井川の鹿肉いただきました。

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静岡県_井川
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井川と言えば昔から鹿肉を食べる文化があるところです。
では、どのくらい昔?

井川には縄文時代から人が住んでいた

田代にある割田原遺跡の発掘調査で遺跡から縄文時代の土器や住居跡が発見されているので、縄文時代(4~5千年前)にはすでに井川では人々が生活していたことが分かっています。

縄文時代から、猪や鹿はすでに食べられていた

縄文時代というと、弓矢・銛(モリ)・釣り針が遺跡から発見され猪・鹿・熊・狐などの動物の他、マグロ・サケ・マスなどの魚を狩猟していた。

ino
ino

縄文時代から猪や鹿も食べてたって事は、遺跡の発見で、井川の人達は縄文時代から猟をやってたんだね。

shika
shika

縄文時代と言えば貝塚!海の方では、たくさん貝を食べてたんだね。山では肉、海では貝!

稲作がはじまった弥生時代

稲作のはじまりにより、お米の他に小麦・アワ・ヒエなどの雑穀を栽培するようになり、肉が主食の縄文時代から、穀物が主食の弥生時代に入る。

シカ
シカ

お米は貴重だったので特別な時にだけ白いお米を食べて、普通の食事にはアワやヒエなどの雑穀を食べていたんだよ。

稲作以外にも、小麦・大豆などの豆類や、桃、アンズ、梅、スモモ、柿などの果実、スイカ、カボチャなんどのウリ類も栽培もされていた。

shika
shika

じゃあ、井川の人が大事に守り伝えている在来作物ってこの頃から引き継がれてる・・って事?
凄い事だね。

縄文時代の食事も引きつぐ弥生時代

縄文時代の主食だった肉・魚・木の実なども貴重な食べ物として弥生時代も食べていて、タコ壺の出土されている事などから、狩りや猟でも技術の発展が見られている。

イノ
イノ

そういえば、猪が家畜化されて豚の飼育が始まったのも弥生時代だよね。古代ブタと呼ばれていて、奈良時代の中期頃までは飼われていて日本書紀や古事記にも登場するけど、仏教の影響で飼育できなくなって古代ブタは途絶えて、現在のブタは明治時代になってアメリカやヨーロッパから輸入されたブタだよ。

古代ブタは、大陸で家畜化されたものが渡ってきた

静岡県の古代の歴史を調べてみると確認できるのが3万年前で、大陸とは陸続きで氷河期にあたる旧石器時代。井川の遺跡は3~4000年前。
古代の人々が獲物を求めてやってきたに違い無い!
詳しい歴史はわからない(知らない)けど、縄文時代からの長い歴史が井川にあり、それが猟や在来作物として受け継がれて来たのは事実!
素晴らしい\(^o^)/

井川の鹿肉

井川の鹿肉をいただきました。
現在の日本の法律では、食肉として販売できるものではないけれど、一般には出回らない貴重な鹿肉!

いただいた後にじっくり眺める。臭いをかぐ。
申し分無い、りっぱな鹿肉!
まずは、塩コショウして焼いて食べる!

素晴らしい肉!

私は、鹿肉と猪肉を食用にさばく職人です。
ジビエというと固いとかクサイとか言われる事が多かった7年前から、なぜクサイのとそうでないのが有るのか?から始まり、どうすれば安定した品質の鹿肉を食用として提供できるのか?肉の安全性をどうやれば担保できるか?などと学んで来た。
さばいた数は3,000頭以上だから多分、女性では日本一さばいていると思う。
当然、井川の鹿肉を食用にとさばいた事もある。

旨い!

驚きが、疑問に変わった。
何故「旨い?」
私は3,000頭以上捌いてきたが、実際食べた頭数はたぶん1頭分も食べていない。
そんな私だが、この肉は違う!
何故か?

このお肉は5月8日にいただいたもので、今日は5月11日。
この素晴らしいお肉のお礼を言うことさえ未だ後回し!
本当に失礼な話である。

ここ数日、この鹿肉の旨さの秘訣を探りながら出た私なりの結論!
すべての条件が揃った「偶然の産物」

野生の肉なので、オスもメスも有り、年齢、季節、いろんな条件がある。
その条件を含めて、食用として処理する段階でクオリティをある程度一定に保つ事は私にもできる。
私はこの数日で、ひとつだけ違う事に気づいた。
すべての条件が揃っても出せない旨さ!それは、長年自分が身に着けて来た技術と歴史の中で受け継がれた技術ではないだろうか?

ここ数日、井川の歴史や文化を独学ながら調べてきた。
そのきっかけとなった鹿肉。
井川には、縄文時代の狩猟民族の文化と弥生時代の在来作物が未だ生きている。

井川のマタギ文化はどう受け継がれて来たのか?
在来作物はいつの時代から継承されてきたのか?

できれば私の願う、縄文時代、弥生時代からだったらどんなに素敵な事だろう。
私の知らないだけで調査は進んでいるのでは?
まだまだ調べ足りないくらいだけど、時間をかけてゆっくり調べてみようと思う。