当店は、静岡県藤枝市で食肉(ジビエ専門)の処理と販売を行っています。
食肉(ジビエ)処理を始めてから7年目になります。このサイトは、少しでも多くの人にジビエ(野生)の魅力を知っていただき、活用していただけたらと思いリニューアルしました。
野生獣肉というと敬遠されがちなのですが、食肉となった鹿肉や猪肉は、野生の中で生き抜いてきた栄養バランスのとても良い「健康食肉」です。
野生で生きのびるということは、一言でいうと「弱いと死ぬ」という事です。
牛や豚が体調をくずせば薬や注射が与えられます。
野生動物は自分の力で治癒するか、もしくは死ぬかのどちらかです。
箱罠につかまった猪は、体当たりして何とか逃げようと暴れます。
くくり罠に捕まった鹿は、足をちぎってでも逃げようとします。
その生き抜こうとする野生の力ゆえに食べるものを求めて農作物を荒らしてしまい、害獣と呼ばれる存在になっているのが現在です。
野生動物と山間地域の戦いは昔もあったと思いますが、現在では農家の生活をおびやかすほど深刻な状況です。
害獣と呼ばれ駆除されている現状ですが、「生きている命」です。必死で生き抜こうと頑張っている命です。
当店では、害獣として駆除された鹿や猪を「ありがたい命」として丁寧に処理し、食肉としてみなさまに美味しく召し上がっていただく為に頑張っています。
野生の肉(ジビエ)は「健康肉」です。
猪肉について
猪は豚の先祖で、DNAも区別がつきません。猪を美味しく改良したのが豚です。
いろんな品種が登場し、畜産農家の努力もあり美味しくいただけるお肉になりました。
いつでも食べれる(買える)ほど、たくさん育てられみなさんの食卓に貢献しています。
一方の猪はというと「野生の動物にメタボはいません」というくらい筋肉質です。
豚を山に放すと三日と生きられない、3日生きのびることが出来たら順応すると言われていますが、山を走る筋力が無くまず無理でしょう。
筋肉質ゆえに猪肉は豚肉に比べて固いです。猪も冬になったら豚に負けないくらい脂がのります。生き抜く為に必要な脂です。この脂が豚肉の脂と全く異なり、煮ても煮くずれしないほど、しっかりした脂です。
旨みで言うと、猪肉は豚肉に比べて味が濃厚で、栄養面では、猪の方が低カロリーでしかも栄養成分は高いです。
冬に猪鍋が人気の秘訣は「味の濃さと旨み」にあるのだと思います。
みなさん、猪と言ったら「猪鍋」(ぼたん鍋)は有名です。
豚は年中太ってますが猪は夏にはほとんど脂がなくなります。
ただ、野生ならではなのか不思議な事に猪は夏と冬の栄養成分が変わります。
冬の「ぼたん鍋」が美味しい季節の猪肉は、コラーゲンたっぷりプリンプリンお肌、美肌の猪と言われるほどです。
夏の猪は、アスパラギン酸とか疲労回復の栄養素が冬よりも多くなります。
よく、夏バテに「ビタミンB1の豚肉」と言われていますが、野生の猪の方が上回っています。疲労燃焼にかかわり免疫力が上がる「アラニン」は、牛の2倍以上、豚肉の3倍以上です。
※ビタミンB1⇒疲労回復・ストレス緩和
※アラニン⇒脂肪の燃焼に関わり免疫力を作り出す
残念な事に猪肉は豚肉ほど、出回ってなく価格も安くはありません。
(豚に比べて絶対数が少ないので仕方ないのですが・・)
でも猪肉をみかけたら、食べる機会があれば、ぜひ召し上がってください。
きちんと処理したジビエ肉は、臭みもなく美味しくいただけます。
当店でも今後、みなさまにたくさんの猪肉を提供できるように頑張ります。
鹿肉について
鹿肉というと「鹿刺し」を連想される方が多いのですが、残念な事に「鹿刺し」(生肉)は食べてはいけません。
当店が鹿肉の販売を始めたころは、まだグレーゾーンで「自己責任」などと言っていたのですが、牛肉のユッケがダメになると同時に鹿肉の生食もNGになりました。
牛の胃袋が4つあるのは有名ですが、鹿も4つです。
余談ですが、鹿も「モー」と鳴きます。
(繁殖期は「キーン」と高い声が山に響いています)
ご来店のお客様が鹿肉にしようか?猪肉にしようか?と迷われた場合は、「豚肉が好きなら猪を。牛肉が好きなら鹿肉を」とおすすめしています。
鹿肉は、牛肉の赤身肉に似ています。ただ、牛肉より柔らかい(水分が多い)です。
牛の赤身と同じく、強火で焼きすぎると固くなるのでスライスした焼肉用にカットしたお肉であれば、フライパンで両面軽く焼く程度で良いです。
ステーキみたいに焼きたい時は、レアかミディアムレアくらいがオススメです。
(牛に比べて水分が多く、脂が少ないので固くなってしまいます)
鹿肉の特筆する点はやはり「鉄分豊富!低カロリー!高たんぱく!」な点です。
鉄分は牛レバー並みなので、貧血気味の方には特にオススメです。
カロリーは110Kcl(鶏のササミ並み)で、高たんぱくです。
ボクサーが鹿肉を食べてダイエットするのが話題になりました。
「筋肉を落とさずにダイエット」できるのが鹿肉の魅力です。
最近は、アスリート食として注目されています。
特にアスリート目指している年齢の人に食べさせたい肉としてスポーツ栄養士さんが推奨しています。
鹿肉のすごいというか不思議なところは、肉なのにDHAが含まれている事です。
青魚のDHAは有名で、1日の摂取量は1ℊと言われています。
焼サンマなら1尾、小イワシなら2尾程度ですが、鹿は200ℊ食べれば1ℊ摂取できます。
牛のステーキ200ℊはボリュームもあり、脂がある分女性にはキツイかもですが、鹿肉はカロリーが低いのと脂が少ない分あっさりしているので、多い人だと400ℊくらい食べます。
ジビエBBQに参加された女性のみなさんも思った以上の軽さに驚かれていました。
鹿肉も猪肉も体にとっても良いお肉なので、みなさん是非お召し上がりください。